21.模試を解く

小学5年生の娘が塾で受けてきた中学受験用の模試を、規定の時間をはかって解いてみたことがあります。

人生がかかっているわけではなければ、試験というのは楽しいものです。

私が小さい頃、父が新聞に載っているセンター試験の問題を解いていたのですが、その気持ちが少しわかりました。

これだけ注意力散漫になる世の中で、試験ほど没入感をともなうものはないのではないでしょうか。作る方も真剣です。その、時代の要請に答えるべく作られた、考え抜かれた試験問題に取り組む時、その45分間は全意識をその世界に没入させます。

総じて、模試の解説というのはそれだけを読んでもわからないものです。子どもに、わからないと言われても、解説を読んでも親もわからないのです。でも、実際に自分で解いてみると、解説の意味も、子供がわからない理由もわかります。そして、間違えた子供が孤独ではなくなります。受験生の親御さんにはぜひおすすめしたいです。試験に取り組んでいると、四六時中考えてしまう仕事や人間関係の悩み事から完全に隔離された聖域にいられます。そんな時間をつくるのは、なかなか難しいことですから。