4.孤独を味わう

酒は孤独を紛らわせてくれるので、

酒を抜いてシラフになると、

孤独の輪郭がくっきりと浮かび上がってきます。

それは、宴席に行く回数が減ったり、

宴席の中で一人シラフだから感じるのではありません。

いつもそばにあるものに、ただ気づくだけです。

でも、そうすると、古今東西の人間とつながることができます。

陽キャも陰キャも人はみんな色々だけれど、

孤独であるという一点は誰もが共通して内包しているもの。

そこにあるかすかな音に耳をすませば、

自分とたしかに共鳴していることに気がつく。

その静かなハーモニーは、酔っていては聞こえないものなのです。