酒は孤独を紛らわせてくれるので、
酒を抜いてシラフになると、
孤独の輪郭がくっきりと浮かび上がってきます。
それは、宴席に行く回数が減ったり、
宴席の中で一人シラフだから感じるのではありません。
いつもそばにあるものに、ただ気づくだけです。
でも、そうすると、古今東西の人間とつながることができます。
陽キャも陰キャも人はみんな色々だけれど、
孤独であるという一点は誰もが共通して内包しているもの。
そこにあるかすかな音に耳をすませば、
自分とたしかに共鳴していることに気がつく。
その静かなハーモニーは、酔っていては聞こえないものなのです。