62.筋トレをする

小学生の娘の体育の先生は、「体育は何のためにするのか?」という問いを、始めの授業でするのだそうです。子どもたちからひととおりの考えが出たところで、先生はこう言ったそうです。

「いろいろな理由があるけれど、一番大切なことは、健康で生きられる時間を長くするためだと先生は考えています」

私がこの先生と小学生の頃に出会っていたら、もしかしたら違う人生もあったかもしれないと思います。私は運動が苦手で、恥をかく時間でした。体育は運動神経の良い人だけが楽しい時間だと思っていました。でも、こう考えていれば、上手い下手は関係なく、勉強と同じく自分のための取り組みとして学べただろうと思います。

その先生の言った意味が心底わかるようになるのは、やはり中年以降ということになるでしょうけれど、私も例に洩れず、パーソナルトレーナーのもとでレッスンを受けてもう一年になります。

座ってばかりいると、脳みそだけがふわふわと宙に浮いているような不安を感じますが、筋トレをすると、自分には確かに身体があること、筋肉が生きていることを感じられます。筋トレをすると、繊維が傷ついている感じや、それが修復されて強くなる感じ、そして以前よりもよりしっかり地面に立てている感覚を得ることができます。

筋トレの効用は、私の場合そこに感じています。