禁酒中の過ごし方|58.海で大の字になる

自然が好きです。虫がいなければ。
自然の中にいると、自分の輪郭が曖昧になって孤独ではなくなって、地球の大きな循環の中にいられるような、汚れが落とされてパワーが入ってくるような、そんな気持ちになれます。

虫がいなければ。

こんな発言をすると、不快に思われる方もいるでしょう。
虫がいなければ私たちもいないのだと。
言い訳めいていますが、書物を読んだり、動物園の昆虫館で少し触れ合ってみたり、虫好きの人の話を聞いたりするなどして、なんとか虫嫌いを克服するための努力はしています。

しかし、事実として、視界の端に黒い点が動くのを捉えた瞬間、ハッと交感神経優位の戦闘モードになり、自分の輪郭は分厚い殻で防御に働いてしまう。これは事実なのです。

ですから、山も、森も、林も、公園も、本当の意味でリラックスができません。
唯一、自然の中でゆったりできる場所は、私にとって海辺だけです。

海辺で波の音を聴きながら、波のリズムに合わせて呼吸をして寝転がっていると、
太陽で温められた砂のあたたかさが背中に伝わって、なんともいい気持ちになれます。

海辺は、ビキニのギャルがたくさんいるところもリラックスできませんが、誰もいないとなるとそれはそれでリラックスできません。拉致されるのではないかという不安が出てきます。

ですから、程よく人がいて、でも騒がしすぎない、そんなビーチを見つけたら、そこは私の第二のリビングとして認定することにしています。勝手に。