タダで使える商品は、使っている人自身が商品なのだと、SNSを開発した人がドキュメンタリーで話していたのを見たことがあります。
SNSなどのプラットフォームは、人を均一化して数値化して比べやすくします。どんなに自由に個性的に独自の言葉を尽くして発信できるようでいても、みんな同一の箱の中にいれられ、常に数値に換算され、計測されています。その数値こそが、この莫大なお金のかかるシステムを維持するための生命線なのです。
三木清さんの『人生論ノート』の中で、私がとても好きなのは、「個性は嫉妬の対象にならず愛の対象になる」という主張です。自分が数値で比べられる場所にいる限り、嫉妬とは無縁でいられませんが、個性的でいられれば、それは嫉妬と離れた愛だけの世界にいられます。そのためには、どうしてもSNSとは距離を置く必要があると思っています。
