経営とは、「価値創造を通して対立を解消しながら人間の共同体をつくる知恵と実践」
著者が切実に伝えたかったののメッセージを、お守りにしたい。
そう思えたのは、これをこうした本の形で世の中に提供したからこそ。インタビューやセミナーなどではやはりこれほどのインパクトはもたらせなかったと思います。
新書というジャンルにもかかわらず、文体を巧みに操り、さまざまな卑近なエピソードを、同じ人が書いているとは思えないような、作中作品のような体裁で書いているので、読み手はこれのどこが経営なの?と思いながらもその中身がまるで自分のようで面白いので読んでしまい、そして最後にその意図がわかるという大どんでん返しのある作品なのです。
著者自身が、文学を書き続けるも書く場を与えられず、自分の生業としている経営学に近い場所での書き物にシフトした、その試行錯誤が結実して新しい価値を生んだ、そんな実例としてもとても勇気を与えられる昨日でした。