西島秀俊さんって、すてきな俳優さんだなと思いました。一瞬だけでもー次の一瞬にはどん底に沈むとわかっていてもーこんな甘く響く声の中に包まれてしまいたいと思わせられますね。
寒い土曜の午後、娘は元気に外に飛び出して行ったのに、私は体と頭が重くて、録画したドラマを見たり、任天堂スイッチでマリオカートをひとりでやったり。色々と行動した方が休みの充実感があるのはわかっているのに、予定も全部とりやめにしてダラダラして。
そんなときに思い出したのが、「さよならみどりちゃん」でした。
私も若い頃には、彼女のいる男性のことが好きになって、同じような思いをしたことが思い出されます。昔見たときにはきっと、主人公の女性に感情移入して見たと思いますし、あのユーミンの主題歌「14番目の月」、とても効果的に使われている主題歌の歌詞にも共感したものです。
でも20年ほど経って見返したこの映画は、私から失われた若い細胞の一つ一つの煌めきを目を細めて見た感じでした。今もやっぱり、14番目の月には気分が高揚しますが、月の満ち欠けそのものを愛おしく思うようになりました。
ドラマは人間を描くと言われますけれど、これが人間を描くっていうことなんだなあと思います。幸せになるために恋をしているのではなくて、ただ、恋するために恋をしている。それが恋です。それが、死ぬとわかっていても、生きている人間の姿なんだと思います。