禁酒中の過ごし方|アーモンドホステルアンドカフェ(代々木上原)

初めてこのお店を見つけたのは、4年前の夏です。
過労で半年くらい会社を休んでいた時でした。

まだ涼しい朝のうちに、行き先もなくただどこまでも歩く、ということをやっていたのですが、その日は朝からとても暑くて、早く日陰で水分とらないとまずい、でもこんな朝早くからやっている店なんてない、という状況で、奇跡的にこのお店を見つけて駆け込み、その時に飲んだアイスチョコレートラテのおいしさが忘れられず、それ以来のおつきあい。

朝8時からオープンしています。

私の行く朝はいつもすいてます。

ホステルというだけあって、身軽なひとり旅行客らしき外国人が朝食をとっていたり、ご近所さんが仕事をしていたり。

ほとんどの人がPCを、ひらいています。

たまに、めちゃくちゃ大きな声でオンライン会議をしてる人もいます。

でも、誰も見ません。

私も、初めて訪れた時は、朝から汗だくでパニックになってるすごい変な客だったと思いますが、みんなフラットでした。

空港のラウンジっぽい空気感があります。

ここにいるのは、旅の途中ですれ違った人たち。

世界にはいろんな人がいるわよね。

という感じです。

私はカフェで、「Wi-Fi使えますか?」と聞いて、店員さんが小さな紙切れをこっそり持ってきてテーブルに置く、という行為が、苦手です。

よく行く商店街で、魚屋の店主が、すごくコソコソ釣り銭を手に握らせるんですけど(なにかおまけしてくれてるっぽい)、その感じに似ています。

でも、ここは、各テーブルにIDとパスワードが、リザーブサインのように、でん、と、置かれています。

私はそういうところも好きです。

まったくやる気のない平日の朝も、アイスチョコレートラテを飲むと少しずつ愉快な気持ちを取り戻せる。すると、家に帰る頃には少し仕事ができるようになります。

朝から少し働く気があるくらい元気な時は、アメリカンのホットを頼んで1時間くらいパソコンを開いて仕事します。

ここのスタッフはアジア系の外国人の方が多くて、あまり余計な話をしません。

母国語でないと人は世間話とか婉曲的なことを言わずコミュニケーションがすごくシンプルになります。

以前、レジのところに

「CBTオイルトッピング15mg300円」と書いてある紙切れがあって、

「これなんですか?」と聞いたら、

スタッフの方に、「リラックスらしいですけど、ぼくためしてもわかりませんでしたね」と言われました。

これきっと、デパートで小さなボトル一万円くらいで売ってるやつだと思います。

このお店のコミュニケーションは、ここで使われているキントーの食器のように、どこまでも無駄がなくてシンプルです。

私が落ち込んで、化粧する元気もなくて、毛玉だらけのスウェットで、赤い目をしてても、誰も見ません。

みんな、自分のことで精一杯。

ここは空港。旅の途中。

だから、私は通えます。