禁酒中の過ごし方|75.サウンドジャーニーする

昔、私が離婚したての時、友人の家に駆けこんでお泊りをさせてもらった夜、彼女が私が寝ている横で、ただ黙ってチベタンボウルを鳴らし続けてくれたことがありました。

チベタンボウルというのは、私も知らなかったのですが、大きな「おりん」のようなもので、チーン、というおりんよりもよりグワングワン・・・・と低く響くような音がします。

私は目を閉じて、その音を聞きながら、彼女とは何も言葉を交わすことなく、ただただ自然に悲しみがおなかの底から流れて涙にのって出てくるにただただ任せて、何十分か静かに泣き続け、そして、すっきりして眠りました。

つい先日、彼女の友達で、コスタリカのジャングルに住むチャーミングな女性が、クリスタルボウルという楽器を使ってサウンドジャーニーするというので、行ってきました。

小さなヨガスタジオに、十数人の男女が、頭をクリスタルボウルのほうに向けて寝ころぶ。ただ目を閉じて、自分の心臓に意識を向けて。そうすると、振動が細胞を小刻みにマッサージしながらそのコリや癒着を取り除いて、その間から嫌な感情やループしている思考が流れていくような、そしてパラパラになって私から解放され、ついには宇宙の材料の元素の単位に戻ってしまったような、そしてその故郷を知って安心して、今に戻ってきたような、そんな不思議な旅にいざなわれました。